MADP(Mobile Application Development Platform)基礎メモ
一言にMADPと言われてもわからないと思いますが、一言でいうなら「基幹システムとスマートデバイスを接続する為のもの」としましょうか。実はあまり良い言葉が見つからないのですが、「企業の基幹システムの中にあるデータをスマートデバイスで参照したり入力更新したりするために必要な箱又は基盤:プラットフォーム」という説明を改めてします。
まず上図のOverview(概要)の説明
ガートナー社は上図にあるように22ベンダーをMADPサービスベンダとして評価し、位置付けているようです。これは2013年8月に発表された最新のデータです。
- ピュアなMADPプレーヤ:AntennaやKony
⇒モバイルアプリケーションの開発(AD)のツールやテンプレートを提供します - エンタープライズソフトウェアベンダ:AdobeやIBM、SAP
⇒モバイルアプリケーションの開発だけでなく、幅広い顧客基盤もあり、ソリューションの製品群を持っています。 - OSプラットフォーム/機器ベンダー:AppleやGoogle、MS、Motorola
⇒彼ら自身のストアから提供するアプリケーションを開発するためのツールを提供します - オープンソースプロジェクト:jQueryMobile
⇒オープンなコミュニティによるサポートを提供します
とあります。MADPといってもやはりその中でベンダ特色の評価と位置づけがあります。またMADPとは以下3つの技術から成り立っています。これら3つの技術はそれぞれ異なる能力が必要となります。
- ネイティブツール:iOS SDKやAndroid SDKなど
⇒単一のモバイルOSに対応したアプリケーションを開発する(OSデバイスが限定される) - ウェブツール:jQueryMobileなど
⇒ウェブベースのアプリケーションを開発する(OSデバイスは限定されない)。オンラインが必須。 - 専門的なプラットフォーム:AppceleratorやDSIなど
⇒OSデバイスに限定しないWebテクノロジーを採用しつつ、ネイティブ機能を使えるようにしている
とあります。わかりづらくてすみません。要はiOSのObjective-Cという専門言語でiOSのみに開発したり、全てのOSデバイスに対応させるためにWebベースで開発したり、その各々を活用した便利なアプリを開発するための専門的なツールもありますよ、という理解で良いです。
なお、MADP評価における前提は、以下ポイントが重要となっているようです。
- デバイスOSは、iOS、Android、BlackBerryOS、WindowsPhone
- WYSIWYGエディターに対応していること
- 標準規格言語の採用
- バックエンドシステムとの接続機能
- アプリのアーキテクチャー面が様々な開発アプリに対応している
- クラウドサービスを提供している
- 管理面やセキュリティ面の機能
- パッケージ化されたアプリやテンプレート、ツールがある
と色々ですわ。で、その中でのSAPモバイルの評価総称としては、
End-to-End Mobile Solution
というメッセージがされておりました。モバイルプラットフォームからモバイルデバイスマネジメント、モビリティーコマース、メッセージングサービスといった幅広いサービスポートフォリオだと。ただ、デメリット的な評価として、SAPは元々が基幹システムパッケージベンダなので、ポートフォリオ全体が複雑になってきている、という評価も書かれていました。
BYOT(Bring Your Own Tools)の採用
という点でもSAPのMobile Platformは高評価を得ており、要は、Apatch CordovaやAppceralator、Senchaなどのオープンソースベンダが提供しているアプリケーション開発プラットフォームと連携し、そっちで開発したものをSAPのMobile Platformに接続してシステム開発することを可能にしている点、です。SAP自身もUI5というWYSIWYGベースのアプリケーション開発画面を準備はしていますが、普段使い慣れた、Titanium Moibleとかを使って開発してもOK、バックエンドの基幹システム開発やオフライン機能はSAPが付加させる、といった具合です。