日本HPの小出社長が震災時に経験したグローバル企業としてのHPとは

世界企業はここまでやる! (ゲーテビジネス新書)

本書のリリース目的は何か?

と考えながら購入いたしました。表題的には「多国籍とグローバルの違いは何か?」これを説明するものとして「グローバル」の強みについても紹介されています。具体的には、HPがグローバル企業として受けている効力として「日本国内のIT部員はたった5人で運用している」ことや、「集中購買のよる大幅なコストダウン」という、企業人には興味深いビジネスロジックについても、記載されておりますが、個人的には、以下「震災時」当時の小出さんの体験が非常に興味深かったと思います。

小出社長は震災時は空の上だった

初耳でびっくりしましたが、3月11日の当時、小出さんが震災の事実を知ったのは、地震発生から4時間後のサンフランシスコから日本に帰国している飛行機の上だったようです。非常時に備えて、小出さんはイリジウム携帯(衛星通信電話)を所有している(義務だそうな)が、空の上ではそれも繋がらない状態だったようです(実際には、飛行機内での使用禁止なのかな)。HPでは災害などの非常時には、全社員に「安保確認メール」が送られますが、日本HPにおいて「社長の安否確認が取れなかった」という、別の非常事態だったようです(実際には飛行機で移動中で「安全」であることはほぼ確認されているのですが)。更に、小出さんは福島ご出身だということで、さぞご家族のことが気になったことだろうと思いますが、震災数日後にはHP米国本社から専門対策Teamが派遣され、意思決定のアドバイスもあり、迅速な判断や連絡が可能となったようです。このときに、グローバル企業としてのメリットを感じられたようです。

51%の可能性があればチャレンジ

僕の感想としては非常に興味深く読むことが出来ました(正直社内に居る立場として社長の考えや感じたことを見ている楽しみのようにも思えます)。震災時だけでなく、新本社ビルを新築するときのグローバルメリットや標準化などについても、日本企業がいう多国籍企業ではなくてのグローバル企業を目指す為に参考となるノウハウが書かれております。また最後に気になったお言葉、「50%の勝率で意思決定を行うのはギャンブルだ。それはやるべきことではない。やるべきことは、51%以上のチャレンジである。そのチャレンジの実行意思決定を行うことが社長としての責務である。」という締め方が大変良かったと思います。

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