【本屋の本棚】僕の死に方 肺カルチノイドと金子哲雄さん

【本屋の本棚】僕の死に方 肺カルチノイドと金子哲雄さん

僕の死に方 エンディングダイアリー500日

本には出会うものです。

そう、本日実感しました。というのは、昨日急遽半年の余命宣告をされ、お亡くなりになったプライベートな関係上のおじさまのお家に弔いに行ってきたところでした。そこでは、若くて美しい奥様が、涙を流しながら最期の旦那様の様子について、有難くお話頂けました。その、旦那様(おじさま)は、僕らのビリヤードワラビー常連客では、間違いなくナンバーワン紳士であり、常にみんなに満面の笑顔でジョークと挨拶を交わしてくれた、とても人望の厚い人気者のお方でした。

と、翌日の今日、ふと本屋にあるオレンジ色の表紙が気になり手にとりました。

「僕の死に方」

冒頭を読むとサブイボが出ました。この著者である金子哲雄さんは既に41歳という若さでお亡くなりになっており、最期を友人に看取られることを好まなかったようです。実はそれは僕が知るおじさまも同じ。僕らワラビーの常連客は死後一ヶ月半後におじさまの去日を知ることになりました。その時は悲しさと共に寂しさも感じざるを得ませんでした。なぜ、ご家族の方は教えてくれなかったのか、お葬式に参列させてくれなかったのか。しかし、そうではありませんでした、金子さん同様、おじさまは元気な姿のイメージのまま、この世を去りたかったのだそうな、昨日お邪魔させてもらった時に、奥様より聞かされました。

僕の死に方、それはおじさまの希望だった

この本に出会った時、これは買わなければいけない。そして家の本棚において、おじさまの存在と生きて僕らに与えてくれたもの、それを忘れないでおこうと、その本をレジに持っていく僕がいました。

さて、本書の内容について少し書きます。金子さんは、それはやはりとても素晴らしい人で、「人を喜ばせるにはどうしたら良いか」を第一に幼いころから育ち、慶応大学を経て、石油会社に就職し、一年間務めた後、独立してコンサルティングをされておられました。そんな中、あるTVでコメンテーターをやっていると、古き友人に発見され、事務所に所属することになり、引き続きコメンテーターとして視聴者にメッセージを送っておられたようです。本書序盤は、そんな金子さんの仕事内容や実態などについて紹介されています。

中盤になり、金子さんの容態について話が戻ります。彼は、「今すぐ死んでも不思議ではない」くらいに進行した肺がんに侵されていました。また、肺がんの中でも珍しい数千万人に一人に発症するという「肺カルチノイド」というものでした。もう、余命も宣告されない不治の状態だったのだそうです。

後半に入り、自分の死への壮大な準備が始まります。その文章はこれっぼっちも寂しさを感じさせない、楽しそうな金子さんを感じさせられました。如何に相手に、友人に喜んでもらえるか、その斬新な「感謝の全国キャラバン」という面白いアイデアに、御坊様もこれまでになく驚かれたようです。ちなみにお骨は東京タワーの真下にあるそうで、「東京タワー = 金子哲雄」というイメージを残したということです。お参りのついでに観光も楽しんでもらう、そういうことでしょうか。

あとがきに、金子さんの尊敬し理解ある妻である稚子さんより、哲雄さんには伝えられなかったかもしれない想いとともに締めくくられます。

僕の死に方 エンディングダイアリー500日

金子哲雄

小学館

発売日:2012-11-22

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最後に僕から、ありがとうございました。本とは出会うものです、「本屋の本棚」と「金子哲雄さん」にここで感謝を伝えたいです。

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